写真は、2020年1月 新春文楽公演 第一部「曲輪ぶんしょう(くるわぶんしょう)」藤屋伊左衛門と

                  第二部「加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)岩藤

2019.12.27
毎公演、人形拵えから始まります

新年初頭を彩る「第一部 曲輪ぶんしょう(くるわぶんしょう)」豪商藤屋の跡取り息子伊左衛門の人形拵えをされる日、午後から撮影をお願いした。
伊左衛門は大坂の大店の若旦那だが、遊女の夕霧に廓通いが重なり、勘当されてしまう。大晦日も近い冬の日、伊左衛門は夕霧のいる吉田屋にやってきます。以前は贅沢な身なりをしていたのに、紙(夕霧から来た恋文)を継ぎ合わせた紙衣(かみこ)を着ています。紙衣姿の伊左衛門を見て、廓に来るには相応しからぬ貧乏人とみた吉田屋の若いものが箒を振上げ追い払おうとしますが、吉田屋主人喜左衛門により助けられ、座敷に招き入れられます。そして喜左衛門は、その紙衣姿に同情し、自分の羽織を着せてやります。廓の主人夫婦は一文無しになってしまった伊左衛門を追い返さず、座敷に上げます。伊左衛門の元へ、やがて夕霧があらわれます。そこへ伊左衛門の家から、勘当を許し、夕霧を身請けさせるとの知らせが届きます。2人はめでたく新年を迎えることになるのでした。文楽には珍しいハッピーエンド、お正月にふさわしいあたたかな演目です。
もう一つの拵えは、「第二部 加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ) 岩藤。
玉男さんが珍しく老女形を演じます。
岩藤は意地悪な局の役柄で憎まれ役です。歌舞伎でも立役が演じることが多いようです。(取材・撮影O)

写真は、第二部 11月文楽公演「第二部 仮名手本忠臣蔵(かなてほんちゅうしんぐら)」
大星由良助

2019.10.30
毎公演、人形拵えから始まります

11月文楽公演「第二部 仮名手本忠臣蔵(かなてほんちゅうしんぐら)」大星由良助の人形拵えをされる日午後から取材撮影をお願いした。
四月から始まった通し狂言の三部作が本公演で完結する。通し狂言を分けることなど考えもしなかった人も多いだろう。しかし大当たり。玉男師匠は「五人伐の段」の初右衛門の人形を七月に遣った。大星由良助がちょっと遠ざかったような気持ちがあったそうだ。新たな気持ちで、九段目から十一段目花水橋引揚より光明寺焼香の段に挑む。
人形拵えは全体の肉づけを調整しながら完成させていく。人形拵えの時には首はつけませんが、刀がずれないように止める工夫もされていた。ただ、新調した袴と肩衣。この肩衣だけが固く布団針も通らない、衣装部さんに言って芯になっている紙を減らしてもらわないいけない、もう一度人形拵えをやり直すことになると言う。傍らに置いてあった三つの首(かしら)について尋ねると、出番によって由良助の首も変えると言いながら由良助の表情を作ってくださった、九段目と十段目十一段目も当然衣装も拵えることになる。いよいよ初日を迎える。上方文化講座で「人形を持てば落ち着く」と話されていた。由良助の登場場面が楽しみである。
(取材・撮影N)

写真は、第三部 サマーレイトショー 「国言詢音頭(くにことばくどきおんど)」
八柴初右衛門

2019.7.17
毎公演、人形拵えから始まります

午後1時から取材撮影をお願いしました。「第三部 サマーレイトショー 「国言詢音頭(くにことばくどきおんど)」
八柴初右衛門の人形拵えの拵えはほぼ出来上がっていて、玉男師匠は「五人伐の段」の初右衛門の人形拵えに集中され綿を入れて全体の肉づけを調整しながら完成させていきます。時折スピーカーから流れる義太夫に反応して手を止め動きを確認していきます。首(かしら)は、松王丸と同じ文七、肩幅は夏祭の団七とは違ってやや小さく、浴衣地の衣装も涼しげです。夏狂言らしい本水の雨を降らせるという演出があり見せ場も多い舞台です。(玉女の頃に一度遣って11年ぶりの役になります。)
人形拵えには首(かしら)をつけませんが、動きを確認するためにつけられた首をくっと上向きにしてくださったり、人形のいい表情を作ってくださいました。

写真は、午後の部「冥途の飛脚」 亀屋忠兵衛

2018.12.26
毎公演、人形拵えから始まります

午後1時から取材撮影をお願いしました。「冥途の飛脚」(めいどのひきゃく)の亀屋忠兵衛の拵えはほぼ出来上がっていて、玉男師匠の手は襟元に集中して、時折スピーカーから流れる音に反応して手を止め、人形の振りを確認したり、動きを試したりの動作があります。羽織落としで有名なシーンの話しや衣装のことで質問すると「心中天網島」紙屋冶兵衛の衣装と同じなんですよ。という答えが返ってきた。人形拵えには首(かしら)をつけませんが、写真撮影のためかしらをつけてくださいました。

写真は、午後の部「鶊山姫捨松」 中将姫 父豊成卿

2018.11.02
毎公演、人形拵えから始まります

この日は総稽古の日。午後3時からインタビューがあり、昼すぎに取材撮影をお願いした。「桂川連理柵」(かつらがわれんりのしがらみ)の帯屋長右衛門の拵えは既に出来上がっていて、今拵え中の衣装は、午後の部「鶊山姫捨松」(ひばりやまひめすてのまつ)中将姫 父豊成卿のもの。
先代の玉男師匠の胴串、、玉結びを忘れて衣装が崩れてきた話など手は動かしながらの作業。
「毎公演遣う人形の衣装をこうして作っていきます。」人形遣いの仕事は、ひと針ひと針心を込めた作業。人形拵えから始まります。